髪のダメージを抑えながらカラーやパーマを楽しむことや、ヘアデザインの幅を広げることができるという革新的な結合補修トリートメント「エプレ」。2024年3月、コスモが日本で初めてエプレを発売し、エプレは日本初上陸後、都内のトレンドサロンをはじめ、ヘアサロン業界で話題を集めました。今やサロン施術に欠かせないボンディング剤やプレックス剤は、エプレ開発者であるエリック・プレスリー氏が十数年前に開発し、それが世界各国に広まったことで、アジアでも日本人がブリーチを気軽にできるようになったと言われています。

nanuk shibuyaスタイリストのteppei氏に美容師目線でのエプレの魅力を伺いました。

━━お客さまからどのようなスタイルを求められることが多いですか?

お客さまの層は幅広く、さまざまな世代の方を担当しています。スタイリングしやすくて、デザインのあるスタイルを求められることが多く、パーマであれば自宅でのスタイリングが簡単にキマるような、手触りのいいパーマスタイル。最近は、僕がデザインカラーを好んでやっていて、ブリーチを使用したデザインも増えています。

━━エプレのどのようなところに惹かれ、導入に至りましたか?

nanukオーナーの佐野氏から提案されて、エプレを試してみました。以前nanukで使っていたプレックス剤では、多少減力してしまうことがサロン全体の課題でもありました。減力させたくない場合はプレックス剤を使わずに施術するなど、髪質に合わせて施術を行っていましたが、エプレを使うとこれまでの課題がクリアになり、成分的にもシンプルで効果がわかりやすかったです。また、手触りの良さなどが直接的に感じやすく、工程もシンプルで使いやすいところもエプレ導入の決め手となりました。

━━初めてエプレを使ってみて、使用感はどうでしたか?

使用感としては、パーマやブリーチの流しのタイミングにシャワー台で流した後、髪を触ると指通りの良さをすごく感じられました。以前はブリーチのみの場合、ある程度のダメージ毛だと髪がキシつく感覚がありましたが、エプレでの前処理をするとキシつく感覚がしません。初めてエプレを使用した時からその使用感がとても良くて、みんなに薦めました。

━━従来のボンディング剤やプレックス系の商材と比較して、エプレが異なるところはどこですか?

やはり工程が1工程で収まるところと、減力の心配がなく他の薬剤に影響を与えないところ。以前はパーマをかける場合、プレックス剤が2剤式で1つのセットとして、さらにシステムトリートメントが絡むとどういう工程でやるのか、シャワー台での時間のロスがありました。エプレを導入してからは、前処理でエプレを使用するなど、使い方が明確になったところが一番良くて、効果もすごくわかりやすいです。

━━エプレにしかない強みとは何ですか?

単純明快で効果が分かりやすく、シンプルな工程で最大限の効果が出せるところ。僕が推奨するエプレの効果的な使い方は、パーマの前処理としてエプレの希釈水をハーフウェットぐらいにあまり濡らしすぎず、髪全体に塗布する。髪をしっかりとかしてエプレの希釈水が髪の内部に浸透した工程で巻いていくと、指通りの良さや手触りの良さを感じられます。パーマの場合、ウェット段階からしっかりエプレを使います。髪の状態によっては、パーマの2液を付けた後にエプレの希釈水を塗布することもあります。髪の状態やダメージのレベル、デザインによって、使い分けています。パーマ施術でエプレを使うと、システムトリートメントを併用した時のダメージのなさ、手触りの良さを感じられるので、特にお薦めです。

━━サロンでのエプレメニュー展開(施術内容・価格)

上級ランクのトリートメント、または、ケアブリーチのメニューを施術されるお客さまにエプレを使用しています。カウンセリングの際に、上級ランクのトリートメントとケアブリーチの施術にはエプレを使用することをお客さまにも説明しています。

━━エプレの使用感に関して、サロンのお客さまからの反応はいかがですか?

以前からプレックス剤や処理剤などを使ってケアには力を入れていましたが、エプレを使うと指通りの良さを喜んでもらえます。パーマでもブリーチでも、洗い上がりの状態で「すごいですね」とダメージを感じさせない手触りをお客さまが喜んでくれています。特に、新規のお客さまには「今まで通っていたサロンと比べて、指通りの良さがすごく良い」と満足してもらえて、リピート率が高いです。

  • ★ epres® Collection BY nanuk

  • (上)顔周りのパーマと艶のあるブラウンカラーに、nanukらしいバンダナアレンジと前髪の質感をプラス。
  • (中央)デザインハイライト。ケアしながら無造作に入れたハイライトとシャギーなレイヤーが相性◎
  • (下)根本からしっかりボリュームを出したプードルパーマ。ほどよい丸みのあるシルエットと大きいカールがポイント。

━━エプレ導入後のサロンへの影響や成果(売上、人時生産性など)

お客さまがエプレを使わないと難しいパーマのデザインをオーダーされた場合「そのデザインをやるなら、エプレ付きのトリートメントにした方が良い」と提案し、エプレを使って施術を行っています。お客さまへしっかり伝えて納得してもらっているので、売上に繋がっています。具体的には、以前のブリーチメニューでは、通常のブリーチとケアブリーチがあり、2,000円のメニュー価格差がありましたが、エプレ導入後はブリーチメニューをケアブリーチのみに改訂しました。ブリーチだけでも+2,000円客単価が上がりましたので、売上も上がっています。

━━エプレ導入後のデザインへの影響(デザインの幅、新しいクリエイティブへの挑戦など)

これまでブリーチ×パーマの併用など、お客様が求めることが髪の状態によっては難しい場合もありましたが、エプレを使うことで、可愛くできるデザインの幅が前よりもすごく増えたと感じています。個人的には、前よりハイライトやワンデザインカラーなどもやることが増えました。パーマを併用していても「ダメージ毛のケアができるエプレがあるからやれる」と感じます。サロン全体としても、2ブリーチである程度ホワイトベースまで抜け切るお客さまも増えました。継続してブリーチを楽しんでもらうためのベースづくりという面では、エプレでの前処理の発展がすごく影響していると思うし、僕ら的にも薦めやすいです。「このレベルだったら、エプレを使えばもうワンステップ明るくできる」などの判断ができるので、デザインの幅に繋がっています。

━━エプレによって、今後の美容業界のどのような変化を期待していますか?

7年前に僕が東京に来た頃より、街を歩いていても黒髪の人が減ってヘアカラーをしている人が増えたと感じます。ハードパーマや強めのデザインをやっている人も増えました。コンサバティブなデザインというよりも、オシャレなゾーンにみんな行っています。そんな人たちが、髪を傷ませながら施術するのではなく、キレイな状態を整えながら良いデザインを継続してくれているところが美容師的には嬉しい部分でもあります。美容業界だけでなく、全員がファッションを意識して、僕らを選んでくれたらその分の変化は絶対にできます。エプレによって可能になることもあるので、エプレがもっと広がって、nanukにも来てくれたら嬉しいです。エプレは用途が明確でわかりやすく効果が出るところが良いと思います。髪にお金を使うことがさらに寛容になって、より多くの人たちがサロンでの施術が生活に必要なものだと感じてくれることを期待しています。

teppi / nanuk shibuya スタイリスト

PLOFILE:2018年nanukに入社。メンズ、レディース問わずクールなスタイルを得意とする。カットやパーマはもちろん、フェードカットやブリーチ、ストレートパーマなど、お客さまに合わせたデザイン性の高いヘアスタイルを提案し、支持を集めている。

◾️ Instagram:@tepe_nanuk

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