髪の健康には欠かせない成分で、ダメージ補修にも効果がある「ケラチン」。ケラチンが配合されたシャンプーやトリートメントがドラッグストアの目につきやすいコーナーに陳列されるなど、注目を集めています。2024年11月、コスモのグループ企業であるクレイツ韓国法人のブランド“Repit(レピ)”から、プロ用の髪管理トリートメント「グリーンケラチン4.0」が日本上陸しました。さまざまなケラチントリートメントが販売されている中、どのように使うとより効果的なのでしょうか。グリーンケラチン4.0導入店「イヴォークトーキョー」の取締役であり、ブランド美容先進国・韓国のヘアケアトレンドにも詳しい、松島春樹氏にお話を伺いました。

ケラチン配合ヘアケア商材をお客さまが比較検討するのは難しい現状「信頼できるサロン選びが必要」

━━ ケラチン配合のあらゆるヘアケア商材がありますが、どのように使い分けるのを勧めていますか?

シャンプーとトリートメントは、毎日使用すると良いと思います。ただ、ケラチンは髪が硬くなる性質があり、人によってはケラチンを毎日使い続けると髪が硬くなってしまう可能性があります。髪の質感が気になったら、ヘアマスクは一度使用をやめたほうが良いでしょう。その意味でヘアマスクは、週に2~3回の使用でいい製品だと思います。ヘアオイルに関しては、今、市販されているものはほぼケラチンが入っていないに等しいくらいの含有量なので、ケラチンによる髪の補修は期待せずに、単なるヘアオイルだと思って使っていただいたほうが良いと思います。

━━ 市販のヘアケア商材はケラチンの含有量が少ないということですが、その中でも効果の高いものを選ぶには何を基準にしたら良いのでしょうか?

含有量については、正確な数字はネットで調べても出てきませんので、一般の方が比較検討するのは難しいのが現状です。ケラチンのトリートメントを扱っているサロンであれば、たいていサロンでのトリートメントに紐づいたホームケア用のシャンプーやトリートメントを扱っていますので、しっかりケアしたいのであれば、そういったものを使用するといいでしょう。ただ、サロンで扱っている商品もピンキリですし、日本はケラチンに対しての知識が遅れているので、信頼できるサロンを選ぶことも必要だと思います。

━━ 日本はケラチン後進国なのですか?

ケラチン配合のトリートメントは、韓国や欧米などではベーシックな商品になっていますが、日本は正しい知識が浸透しているのはまだ2割程度というのが正直な印象です。その原因のひとつは、ケラチンは髪にハリコシを与える作用があるため、日本のヘアスタイルの流行が髪を柔らかく見せたいという方向にシフトしていくなか、真逆の効果を生むものととらえられてしまったことだと思います。ケラチンより水分を多く与えたほうが髪は柔らかくなりますから、水分の含有量が多いトリートメントが重用されるようになってしまいました。欧米は日本人とは逆にハリが欲しい髪質なので、ケラチンが重要視されたのだと思います。また、ケラチンはパーマの処理剤にも使われていたのですが、においがきつかったこと、ケラチンの含有量を上げると価格が高くなることも日本が遅れた理由かもしれません。

韓国から「グリーンケラチン 4.0」が日本初上陸「いい意味で、髪に中高生の頃のような重さが生まれる」

同じアジアでも、美容先進国の韓国では“髪管理”への意識から、ケラチンをはじめ、さまざまなトリートメントが話題となっています。コスモでは“髪管理”シリーズ「グリーンケラチン 4.0」をプロ用商材として販売しています。

髪管理トリートメント「グリーンケラチン 4.0」は、韓国では平均300,000₩(約33,000円)で提供されている髪管理メニューは、これまでの日本の酸熱トリートメントと比べ、髪質を選ばずシンプルで手軽にわかりやすい効果を実感できます。

クロロフィルを配合した特殊なケラチントリートメント「グリーンケラチン 4.0」は、たんぱく質が失われたダメージヘアに内側から栄養(グリーンケラチンコンプレックス)を注入して、しっかり定着。鏡のように輝くツヤを感じられます。また、独自配合されたアマゾン植物エキスやヒアルロン酸、アミノ酸が潤いにあふれたやわらかな質感をキープします。

━━ 「グリーンケラチン 4.0」の使用感はいかがでしょうか。

韓国の方はもともと髪の毛のクセが強く、日本人より難しい髪質なので、その分、開発において工夫を重ねてきたのではないかと思います。最近では、韓国発の低分子のケラチントリートメントが日本にも出てきています。「グリーンケラチン 4.0」は、ケラチンの含有量が日本製に比べて、断然多いのが特徴です。低分子のケラチンが髪の中に入ってしっかり定着するので、驚くほど艶が出ますし、いい意味で、髪に中高生の頃のような重さが生まれます。

━━ サロンでのトリートメント施術でその効果を実感できますか?

お客さまの髪の状態によると思います。1回サロンでトリートメントしただけで、1か月半くらい艶のあるとても良い状態の髪を維持できる方もいます。ロングヘアでかなり髪が傷んでしまっている方の場合は、1回ではケラチンが入り切りません。ただ、3週間に1回くらいの頻度でサロンでのトリートメントを行っていくうちに、常にツルツルでサラサラな状態を維持できるようになる方が多いです。

━━ 髪が傷んでいる場合は、トリートメントの頻度を上げる必要がありますか?

大事なのはケラチンを髪の毛の中に蓄積させることなので、サロンに来るのは2.5か月に1回という方が多いですが、サロンへ来店するたびにトリートメントをするのが良いと思います。そしてその間は、美容師に勧められたケラチン配合のヘアケア商品を自宅で使って、ホームケアも合わせて“髪管理”を行うのがおすすめです。

━━ 今現在、髪のダメージを感じていない場合でも、ホームケアはしたほうが良いですか?

ダメージが出てからでは遅いので、“予防”としての考え方です。髪は日々成長していますので、とにかく傷む前からケアしておく。あと、ケラチンの欠乏を防ぐためには、ケラチンを構成するタンパク質を日常的に摂取することも大切です。食事で補えない場合は、プロテインを活用するのも効果的だと思います。

━━ 今は、ネット上でもあらゆるヘアケア方法が話題になっていますが、一般の方がバズっている商品を購入しても、思うほどの効果を得られないこともあります。“髪管理”をするにあたって、アドバイスをお願いします。

僕の感覚ですけれど、SNSの投稿などを見ていると、まだ、ケラチンについては正しい知識が浸透しておらず“髪管理”という考え方よりは、トレンドだから使うという方が多い印象です。サロンによって「ケラチントリートメント」といっても、ほとんど水分のトリートメントを使用している場合もありますし、それで価格が高いとなると、ケラチンに良いイメージをもたず、1回で止めてしまう方も多いと思います。ですから、一般の方は口コミの情報だけを頼るのではなく、いかに信頼できるサロンや美容師を見つけられるか。闇雲に商品を買って後悔しないように、正しい知識を身に着けることが大切です。

松島 春樹

  • ヴォークトーキョーの取締役ディレクター。骨格に似合わせた小顔に見せるカット技術、髪の毛や顔色がきれいに見えるカラーリングやハイライトをおりまぜたナチュラルデザインカラーが得意。ボブやショートへのカットから、ライフスタイルに合わせた髪のケア方法まで提案してくれる。

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