1980年代は「聖子ちゃんヘア」、1990年代は鈴木亜美さんや広末涼子さんの「シャギー」「ショートボブ」、2000年代は後藤真希さんの「金髪ストレート」、2010年代はAKB48全盛で「ツインテール」「ポニーテール」「ストレート」「茶髪巻き髪」など、その時代を代表するさまざまなアイドル髪が誕生しました。昨今のアイドル髪には、どのような傾向があると言えるのでしょうか?CREATEs presents IDOL RUNWAY COLLECTION 2025 Supported by TGC(以下、CREATEs presents IRC2025)で、アイドルヘアステージを手掛けたヘアケア家電メーカー「クレイツ」や、理美容総合商社「コスモ」が所属するコスモグループのマーケティング部PRチームに話を聞きました。

それぞれの時代で流行ったアイドル髪の特徴、一般層にどのような影響を与えていたのか?
現在まで、アイドル髪にもさまざまトレンドがありました。まず、アイドル髪を語る上で、1980年代に大流行した「聖子ちゃんヘア」は外せません。目の上ギリギリの前髪とサイドレイヤーを後ろに流したスタイルは“誰でも小顔に、目をパッチリさせて見える”と一大ブームとなりました。中高生から主婦層など幅広い年齢、コンサバ系から不良系までさまざまなテイストの女性たちがこぞって同じ髪型にしていた時代です。
聖子ちゃんヘア流行の影響で、サイドの髪をリバースにブローするための「くるくるドライヤー」が大ヒット。また、朝つぶれた髪をセットするために「朝シャン」文化が生まれたきっかけにもなりました。
1990年代には、広末涼子さん、内田有紀さん、鈴木亜美さんなど「シャギーボブ、ショートヘア」の清楚系アイドルが注目を浴びました。ボーイッシュでさわやかなショートヘアのアイドルたちに注目が集まると、ナチュラルな黒髪のショートヘアやシャギーの入ったショートボブがトレンドになりました。カラーやパーマをする必要がないので学生でもトライしやすく、手入れが楽な上、人気アイドルたちのようにさわやかな好印象を得られることがブームの原因だったのではないでしょうか。時代背景として不況になると女性の髪が短くなると言われてきましたが、このころのバブル崩壊も一因だったのかもしれません。
そこから180度変化したのが、2000年代です。「茶髪、金髪、巻き髪」ブームが到来し、親しみやすいキャラクターの女性アイドルが増えた印象もあります。アイドルではモーニング娘。がブレイクし、デビュー当時13歳だった後藤真希さんの金髪シャギーヘアは鮮烈な印象を残しました。また、人気絶頂だった安室奈美恵さんや浜崎あゆみさんなどの影響もあり、茶髪や金髪などヘアカラーを楽しむ女性が増加。巻き髪や外国人風ヘアなど、景気の回復も後押ししてか、華やかなヘアスタイルがトレンドになった時期です。クレイツでも「エビちゃん巻き」がきっかけの巻き髪ブームに乗って、カールアイロンが大ヒットし、女性たちがパーマではなくコテで髪を巻くという文化がここから広まりました。

“巻き髪”カルチャーの元祖サロン「AFLOAT」とクレイツのコラボアイロン「アフロート エスペシャルカールⅡ 26mm」

2010年代以降ではAKBや坂道系といった大人数のグループアイドルが台頭してきました。ここでアイドル髪に見られた変化は、元AKBで言うと、渡辺麻友さんのツインテール、小嶋陽菜さんのゆるふわロング、高橋みなみさんのポニーテールなど、メンバーたちも自分が一番可愛く見えるように、決まったヘアスタイルでそれぞれの個性やキャラクターを出す、小顔に見せてくれる、コンプレックスを隠せる前髪や触角などのアレンジがアイドルたちに広まったのもこの時代からのようです。自分がより一層かわいく見えるヘアスタイルを追求するようになりました。
その一方で、ファッション誌のレギュラーモデルを務めるメンバーも多い乃木坂46、日向坂46、櫻坂46などのアイドルグループのメンバーは特に女性からの支持が高く、ヘアスタイルやメイクが雑誌で特集されるほど、清楚系の「全方位モテ」するスタイルが女性たちの憧れの対象となっていきました。この頃から、アイドルの象徴であるまっすぐでツヤツヤの黒髪にスタイリングするのはもちろん、前髪や触角などのアレンジに欠かせないストレートアイロンの需要が非常に高まりました。クレイツでも、まっすぐに伸ばすだけでなく顔周りなどのアレンジもしやすい小回りの利くコンパクトなストレートアイロンがヒットし、現在も常に人気上位の商品となっています。

“カールが得意な” ストレートアイロン「9012 イオンストレートアイロン ショコラブラウン」(矢吹奈子コラボモデル)

さまざまな変遷があるアイドル髪。過去のトレンドがリバイバルするケースはあるのか?
たとえば「聖子ちゃんカット」そのものがリバイバルすることはありませんでしたが、そのポイントとなる“ミディアムのひし形カット”“フェイスラインを隠す厚めの前髪”“サイドのリバース巻き”など、小顔効果を狙ったテクニックは現代でも形を変えながら人気のヘアスタイルであり続けています。ドラマ「不適切にもほどがある」のヒットで、ヒロインの聖子ちゃんカットがカワイイと話題になったのは記憶に新しいです。

“前髪” や “触覚” でアレンジされたツインテールは、今も王道のアイドル髪
「昔流行った」という印象のヘアスタイルも、形を変えて現在のアイドル髪につながっています。ツインテールやストレートヘアは、今もアイドル髪の王道ですよね。アイドルの王道スタイルに、前髪や触角などでアレンジを加えて、それぞれ今風のヘアヘアスタイルになっています。
最近では2000年代のファッション、文化やヘアメイクが韓国アイドルのNewJeansをきっかけに「Y2K」ブームとしてトレンド化しました。当時流行したシャギーヘアが令和版の「レイヤーヘア」に進化して、今まさにバズっています。ロングのシャギーヘアを太巻きのカールアイロンでワンカールするスタイリングがSNSでも人気となりまりました。クレイツでは、太巻きのパイプながら立体的なカールがつくれる「レピ スクエアバー」が人気で、40mmの太めのカールアイロンが今売れています。

大きなくびれカールが特徴の韓国トレンドヘアがつくれる「レピ スクエアバー 40mm」(クレイツ)

若年層のライフスタイルは「アイドル髪になりたい」「前髪命」「触角にこだわる」なようですが、それはこれまでのように誰か1人のヘアスタイルをみんなが画一的に目指すということではなく「自分にとって一番可愛い髪」は「アイドルの誰か」であるというそれぞれ異なるロールモデルを持っているようです。また、骨格、顔タイプ、肌色なども診断できるようになり、より自分に近しい対象を見つけやすくなりました。
前髪一つとっても、前髪の隙間の出し具合、ぱっつんなのか、シースルーなのか、それぞれの持つ雰囲気や、顔のパーツや形などの素材によって似合うスタイルが異なります。そのため、自分に似た顔立ちや雰囲気、好みのテイストのアイドルのSNSをフォローし、髪型やメイクを真似るということも日常的に行っているようです。クレイツでもこの「前髪命」のニーズに応えるべく「前髪用アイロン」を2025年下半期に発売予定です。

クレイツから前髪用アイロンが新登場!「9012 イオンコードレスストレートアイロン」(2025年下半期発売予定)

スタイリストたちと創り上げたアイドル髪。CREATEs presents IRC2025を経て、反響や当初の想い
今期クレイツは「髪に、“KAWAII”の魔法を」というコンセプトを掲げ「HoneyWorks」がサウンドプロデュースするアイドルグループ「高嶺のなでしこ」の松本ももなさんをイメージモデルとして起用しました。また、すべてのアイドルたちにクレイツのヘアアイロンで魔法がかかったように可愛くなってほしいという想いから、CREATEs presents IRC2025のプラチナパートナーに就任しました。準備段階でも、クレイツステージ出演者13名の魅力を最大限に引き出すヘアスタイルについて、PRチームだけではなく、クレイツやコスモのスタッフ、参加サロンのスタイリストの方々やパートナー企業の皆さまとも連日検討を重ね、当日を迎えました。

CREATEs presents IRC2025のクレイツステージでは、松本さんにトップバッターを務めていただきました。普段のヘアスタイルとは異なるアレンジになった方もいらっしゃいましたが、それぞれ本当に魅力的なスタイルに仕上がり、ステージでは光り輝いて見えました。観ている観客の方々に元気を与える “KAWAII” のパワーはすごいなと改めて実感しました。CREATEs presents IRC2025のランウェイでお披露目した魔法のステッキのようにデコレーションされたクレイツのヘアアイロンは、コスモグループスタッフたちの手作りです!リボンやキラキラのラインストーンなどを使って、細部までかわいくデコったこだわりの“デコアイロン”はアイドルたちからも大好評♡そんな“KAWAII”デコアイロンにも注目しながら、クレイツステージの映像をご視聴していただければ幸いです。

コスモグループとして、どのように“令和のアイドル髪”を創っていくのか
“令和のアイドル髪”は、誰かひとりのヘアスタイルをみんなが真似するというだけにとどまらない、包括的な意味を持つものに変わってきています。コスモグループは、女の子たちそれぞれの「自分の一番カワイイ」を叶えられる製品や企画をこれからも提供してまいります。また、日本が誇るアイドルカルチャー、アイドルたちの“KAWAII“をサポートし、新世代のユーザー層への訴求も強化していきます。誰かにプロデュースされることが多かった過去の人気アイドルやモデルたちと比べると、いま売れているアイドルたちは非常に「情報分析力」や「自己プロデュース力」が強く、自分に何が求められているのか、自分をどう見せたいのかをよくわかっている方が多いようです。そのような自立した行動力のあるアイドルたちとコラボレーションして、新しい“KAWAII”を発信していけたら面白そうだなと考えています。
